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小さな焼き菓子や Sweet's home*

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小さな焼き菓子やさんの日々のこと、楽しいこと。
by yoko12_27
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ありがとう、おばあちゃん
2012年 09月 16日 |
私事の記事なので、読みたい方だけMOREよりどうぞ。


大切な記録として。



8月28日 午後3時33分。

夫の祖母が長い眠りにつきました。


祖母とはかれこれ15年の付き合いをさせていただきました。
いつもにこにこと笑顔がかわいいおばあちゃんでした。

私のことも孫のように可愛がってくれて
私の顔を見るとぱぁっと笑顔を輝かせて『ああ、ようちゃん来てくれたの?』と
いつも言ってくれました。


体の具合が悪くなって一人暮らしから施設に入り10年。

その後病気になり3年前より病院のお世話になっていました。


容体が悪くなったのは6月の終わり。

持病の糖尿病から来る、足の壊疽で急きょ転院。

治療をしたものの回復せず、左足の膝上から切断することになりました。


7月4日。左足切断。

ちょうど私の仕事のお休みの日と重なって、立ち会うことになりました。

いつもは笑顔のおばあちゃんも緊張しているのか
二言、三言話しただけで会話しなくなりました。


2時間の手術は成功。まだ麻酔でぼんやりしているおばあちゃんを
見舞ったあと帰宅。

徐々に回復するも、検査の結果、大腸にがんが見つかりました。

先生は『早いうちに手術を勧めます』と言ったけれど、私と夫は
『今年が最後のお墓参りになるかもしれないから。。。』と先生に手術を
お盆明けにしてもらうようにお願いしました。

日に日に弱っていくおばあちゃんを見ながら8月15日のお盆を迎えました。

おばあちゃんはもうご飯を食べることが出来なくなっていたので、
直接体に栄養をとりこむ点滴をしていたので、『外出は1時間限定』に。

病でも異例の看護師さんも同行のお墓参りとなりました。

8月15日は暑い暑い日でした。
車に車いす、酸素ボンベ、緊急に対応できる道具などを積み込んでの出発。
ドキドキしました。

幾分調子も良いのか、話しかけると小さな声で返事が返ってきました。

『おばあちゃん、大丈夫??』  『うん。』

お墓場に着くと、先に行ってお花を飾り、線香とろうそくを供えてスタンバイ。
出来る限りの時間短縮をしないと、おばあちゃんがつらくなるのが分かりました。

おばあちゃんがお墓の前に着いたので、手に数珠をかけて手を握りながら
合掌をしました。

『連れてきてくれてありがとう。』
そう、笑顔で言ってくれました。
これが私にとって、おばあちゃんの最後の思い出の言葉となりました。

『暑いからもう帰りたい。』
そう言ってお墓を後にしました。

22日、大腸がんの手術の日の前日。
おばあちゃんの意識がなくなってしまいました。
急きょ21日の夜に担当医の先生とお話。

『いろいろ治療を試みましたが、意識が下がる一方で、このままでは手術はできません。』

そう言って、手術は取りやめ。
酸素マスクがおばあちゃんの体に付けられました。

仕事の都合で私が次におばあちゃんに会ったのは亡くなる前の日の27日。
病室に入ると心電図に酸素マスク、点滴にモニター。

すでにおばあちゃんの体のけいれんは止まらなくなっている状態でした。
時折、苦しそうに口をあけるおばあちゃん。
もう話すことも、目を開けることもない状態でしたが、私たちが来ていることも
話している内容も分かっているのが分かりました。

心配でずっと付いていたくもなりましたが、その前に自分の心が苦しくて
泣きたくて。この時になぜかは分かりませんが『おばあちゃんは明日亡くなるんだ』と
確信した自分がいました。

それでもまだ夫の妹さんが会っていないのでおばあちゃんに
『明日のお昼から○○ちゃんが会いに来るからね、おばあちゃん待っててね。』と
耳元で伝えた後病院を後にしました。

その日の夜から、気持ちのそわそわが止まらなくなりました。

28日早朝。
早朝出勤のため、いつものように5時に家を出ると
この日はびっくりするくらいのきれいな朝焼け。
空がきれいな赤色に染められていました。

この光景は今でも心に残っています。
そしてまたこの時にも『ああ、今日なんだなぁ』と確信した自分がいました。

この日の仕事は何となく心落ち着かずで、身に入りませんでした。
昼休みに一度夫に電話。

『おばあちゃんのことで病院から連絡ない??』  『いや、特にないけどどうしたん?』

『いや、、、なんとなくそわそわするの。』  『ふ~ん。そうなんか??』

こんな会話を終えて2時から仕事開始。
仕事が始まると携帯電話は持たないので、私に直接連絡は取れない。

2時15分。自分の部署の内線がなってドキッとした。

電話は案じた通り夫から。
『今、病院から電話があって、ばあちゃんがもうやばい。出来るだけ早く来てくれって。
今すぐ行けるか??』

夫は仕事で県外なので、どう考えても間に合わない。
『うん、今すぐ行くわ!』

そう言って電話を切ると、飛び出すように会社を出た。


会社から病院に直接行ったことがなかったから、道が分からない。
いつもはだいたい迷子になるパターンなのに、今日はすんなり間違えなかった。

おばあちゃんが『こっちだよ。』って案内してくれたのだと思う。

着いたのは2時35分ごろだったように思う。

本当は走ったらダメなんだろうけど、病院の廊下を走って病室に向かった。
おばあちゃんの病室の近くで、いつもと違う雰囲気。

部屋の前にはついたてが置かれていて、担当医の先生や看護師の方が
入って行くのが見えた。

その後ろに飛び込んで最初に目に入った光景が心電図の『 0 』の文字だった。
心電図の警報の音が病室に響いていた。

ちょうど私が着く数秒前に夫の妹が着いたらしく、おばあちゃんが亡くなる数秒前に
間に合ったのだそう。

『ああ、よかった○○ちゃんが間に合って。昨日、おばあちゃんに明日会いに来るから
待っててって伝えたんだよ。』と妹に話した。

もちろん悲しくて涙はたくさんこぼれたけど
最初におばあちゃんにかけた言葉は
『おばあちゃん、これでやっとゆっくり出来るね、お疲れ様。ゆっくり寝てね。』
心からそう感じた。

しばらく涙が止まらなかったけれど、心はすごく晴れやかだったと思う。
自分なりに悔いもなく。まあ、小さいことを言えばきりがなくなるのだけど。

お墓参りにも行けたし、大好きなブドウも食べさせてあげられたし、
亡くなる前日にも会えた。
亡くなる時にも立ち会えた。

私にとってたった15年だけれど、本当の孫のように私を慕ってくれたおばあちゃん。
いつもいつも本当にありがとう。
by yoko12_27 | 2012-09-16 23:24 | あれこれ |
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